氷河期・氷河時代・氷期

氷河期と氷河時代と氷期

氷河期と氷河時代と氷期。この3つの中で一番よく耳にするのは、おそらく氷河期という言葉だと思います。
私たちが一般的に「氷河期」と呼んでいるのは、260万年ほど前から続く「氷河時代」の中の、7万年前~1万年前までのすんごく寒い時期「氷期」のことです。

氷河時代

氷河時代というのは、北半球・南半球の両方にすごーく広い氷床がある時期のことを指します。
実は、この定義から考えると、私たちが生きている今現在も氷河時代の最中ということになるのです。(南極・北極・グリーンランドが氷床におおわれているため)

地球が誕生してから今までに5回の氷河時代があって、それぞれがだいたい数千万年~3億年くらい続きました。
一番新しい氷河時代は260万年前に始まったものになります。

氷期と間氷期

この氷河時代の間には、ものすごーく寒い時期とちょっぴり寒さの緩む時期が交互にやってきます。
寒い時期が「氷期」で、少し暖かめの時期が「間氷期」です。

今の氷河時代では、氷期と間氷期がだいたい1サイクル10万年くらいの周期で繰り返されていて、7万年前~1万年前の期間が最新の氷期(最終氷期)。一般にはこの時期を指して氷河期と呼ぶことが多いのではないでしょうか。
ちなみに、今現在は次の氷期へと向かう「間氷期」の期間だと思われます。

後氷期

今現在は氷期と氷期の間の間氷期であると考えられていますが、最終氷期が終わってから現代までの期間は後氷期と呼ばれています
これは単純に、まだ次の氷期がきていないので「間」ではなく「(前の氷期の)後」という意味で、やがて次の氷期がやってくれば「後氷期と呼ばれていた時期はやっぱり間氷期だった」ということになるでしょう。

名称

260万年前に始まった今の氷河時代は「第四紀氷河時代
7万年前から1万年前の最新の氷期は「ヴュルム氷期

一般には「氷河期」というとこのヴュルム氷期を指すことが多いと思いますが、氷河時代や氷期という言葉の代用として使われることや、第四期氷河時代の期間を指す場合もあるようです。
日本雪氷学会から「色々ややこしいから、これからは氷河期=氷期という意味にして、できたら氷期って言葉の方を使ってね」という方針が出されています。

関連してよく使われる単語

氷床

総面積5万km²以上の広い範囲に渡って、氷が地面を覆いつくしているような状態のこと。
九州と四国を足した面積がだいたい5万5千km²くらいです。

永久凍土

文字どおり、ずっと凍ったままの状態の土壌のこと。
少なくとも2冬とその間の1夏を含めた期間より長い間、つまり、冬が来てからその翌年の冬の間まで(か、それより長い期間)ずーっと凍ってる土地を永久凍土と呼びます。

最終氷期の一番寒かった時期には、日本でも北海道のほぼ全域や中部地方より北の高地が永久凍土となっており、今現在も富士山・北海道の大雪山・富山県の立山の3ヶ所で山頂付近に残っています。
氷床や氷河に覆われた土地は永久凍土とは呼ばないので注意。

スノーボールアース

地球は今までに3回ほど、海も地上も赤道のあたりも全部が凍りつき、スノーボール=雪玉の状態になったと言われています。
22億年前に1回、7億年前に2回の計3回で、最低気温はー50度(赤道付近でもー20度)、氷床の厚さは1000メートル以上にもなりました。
これにより当時の地球上の生命が大量に絶滅しましたが、一部は深海や火山周辺などの凍りつかなかった地域で生き延びたと考えられています。

全球凍結、全地球凍結などとも呼ばれます。